ボンヴォヤジュテーム

2021年6月9日

去年は「売らなきゃ」というモチベーションがすごくあって、企画ものを色々やりました。みよこさんのアマビエ・アマビコラベルは絵がいいのでバカ売れしたし、その後は絶対売れなさそうな一升瓶紅白二本とTKCYのスッカラカン節の音源とのセットも一人で企画してCM作って、準備した分は何とか売れてやり切った感がありました。

ところが今年は正直そういう気持ちに全然なれません。理由はコロナがもう禍ではなく常態化しちゃって、だからやるべきは災難を切り抜けるためのイベントではなくて、保身というか、健康を保つこと、それに尽きるって気分ですよね。保身というと聞こえが悪いですが、keep my healthって事。皆さんどうでしょう。お元気でしょうか。全然変わらず元気だよーという人、すごいなと思います。私はだんだんおかしくなりました。そして三度目の緊急事態でお酒が悪者にされるに至ってかなりグレてます。

思えば、私は前からそんなに精神的に健やかな人間ではなく、山梨に来たのだって都会での生活に希望が持てなかった、と言う事もできるかも。紙一重でしたが、畑担当なら雇うと言われてこっちに来て、畑の仕事に助けられて何とか社会的な人間になる事ができたのです。天気とか病気の発生状況にもよりますが、畑の仕事は本当に癒されます。毎日がリハビリのようなもので、あとは最近は高血圧だったりするので休肝日を増やさなければですが、ワインですね。畑とワイン。それで何とか社会性を保ってきました。

ただ、それで置いて行かれてるもう一人の私みたいな人が多分いて、音楽が出来るときはその人が呼ばれてるんだと思います。なので暗い曲ばかり出来ます。今回のは去年のスッカラカン節も入っているので工藤さんに聴いてもらうと「冷えた白ばかりが目立つ」と言われ、ああ、だから赤が売れないんだな、と納得してしまいました。「ワインを開けると音がなるようにすれば」と言われましたが、それどうやるんでしょう。分かる方がいたらぜひ教えて下さい。

今年は今のところ天気が良くて、ワインは記録的に売れていませんが、あっくんはすごくやる気があって楽しそうなので、私もいつも以上にブドウに打ち込む事ができています。天気はこれからどうなるか分かりませんがきっといいワインになるんじゃないかなと、不思議とそこは珍しく言うに憚られません。日が昇るとともに起きだしてお天道様の下で一日働いて夜はごはんとワイン、となると暫くは音楽に呼ばれる事もなくなるかもしれません。

幸い、先月のdisk union日本のロックインディーズ館で売り上げ一位になった工藤さんの9枚組が手元あるので、車や寝る前に聴く音楽には当分の間困りません。古いカセットからCDへのマスタリングはスッカラカンで組んでいた山中カメラさん。間違いなくいいお仕事されています。https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008271206