2024 Autumn-Winter Collection
SOLEIL WINE × TORI KUDO
工藤 冬里 葡萄釉ゴブレット2024

2023年の収穫を終えた自社畑のブドウ剪定枝を燃やした灰を愛媛県砥部町の工藤冬里さんの工房に送り、釉薬として用いたゴブレット12体を製作していただきました。2024年11月よりこのオンラインギャラリーに掲載、12月1日よりオンランショップにて受注しました。器には陶芸家と葡萄栽培人それぞれが書いた12行から成る詩の中の一行を同梱。12個の器が12人の持ち主の手元に渡ったのため、詩の全文を公開しクロージングといたします。
「烏」
工藤冬里
烏
烏
烏
烏
烏
烏
烏
烏
空に
黒い汚点
高い高い
基準の下

工藤 冬里
愛媛県在住の音楽家/陶芸家。陶工の父と芸術家の母の間に生まれる。10代前半の教会のオルガン弾きやキャバレーのピアノ弾きを経て19歳でニューヨークに渡航。帰国後、まずは東京を拠点に複数のバンドやユニット、劇団において作曲と演奏活動を行う。1984年、現在も主宰するマヘル・シャラル・ハシュ・バズが始動。多くのミュージシャンが参加し、町から町へとライブ活動を行う。2000年初頭からは欧米のレーベルからもアルバムをリリースするようになり国内外にコアなファン層を形成。演奏経験のない志願者もメンバーに迎え入れ、スコアに基づきながらも練習時間を極限まで短縮した、偶然性を契機とするパフォーマンスを特色とする。美しい旋律の中に躓きとズレを生じさせるリズム、時空の歪みを露呈するような演奏、そして万人に受け入れられる事を拒むかのような開け放たれない詩の世界。ジャンルを問われれば本人曰く「パンク」。音楽の属としてではなく、都度テーマを叩き出し、音楽そのものの意味/無意味に切り込む姿勢は確かにそう呼ぶことができる。陶芸家としては、匠である父の仕事を客観的背景にまで咀嚼し、ロンドンのアートスクールで学んだ経験も生かしつつ、時々の思索と偶然性を主な素材とする、音楽同様「パンク」な試みを続けている。

「まきひげ」
鈴木順子
若葉の季節
ブドウの蔓はどえりゃあ伸びる
大っきなひとかきのクロールで
棚上を地平線まで泳いでゆく
あっという間にブドウ畑が海になった
まきひげは絡み合ってキスしながら踊ってる
葉っぱがビリビリになってもお構いなし
私はやつらを切りまくって進む
かの有名な女騎士のごとく
(賛成でも反対でもないけど)戦っていた夏の間ずっと
あのねそれって君の今飲んでるそのワインに向かってたんだ
そ、そのグラスの中にこ、この緑の海、みえません?
1. champignon サイズ小



2. thin サイズ小



3. fur サイズ小



4. hotaru サイズ中



5. gelato サイズ小



6. burg サイズ中



7. tear サイズ中



8. flower サイズ中



9. whip サイズ大



10. ballet サイズ中



11. boss サイズ大



12. cat サイズ中


