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山上直(プロフィール写真)

ブドウ栽培者の紹介

山上 直

1970年 兵庫県洲本市生まれ、奈良県生駒市育ち。北海道の大学卒業後、東京の広告代理店に勤務したが退職し、学生時代を過ごした札幌の飲食店に再就職。この時ワインに関心をもち、現ナカザワヴィンヤードの中澤さん夫妻と知り合ったのが転機となる。1998年、ブドウの仕事を覚えるために山梨に移住、植原葡萄研究所にて研修生としてブドウ栽培と苗木生産技術を学んだ後、甲州市の小規模ワイナリーの農園担当として7年間勤務。その後着々と準備を進め、峡東地区で最も標高の高いブドウ産地である山梨市牧丘の西保地区に、垣根式と短梢棚式でメルロー、シャルドネ、ソーヴィニョンブラン他数品種を植え付け「グルペットぶどう園」をスタートさせた。

山梨では非常に珍しい醸造用ブドウのみを栽培するヴィニュロン。鈴木順子とは同じ年に山梨にやってきてワイナリーに入った同期である。旭洋酒では、栽培が難しい上に反あたりの収量が低い欧州系醸造用種は基本的に自社畑で栽培し、地元農家には栽培方法が確立している甲州とMBAをお願いしているのだが、ワインの見識が深く、お互いをよく知っている山上さんだけは例外だ。15年前、ソーヴィニョン・ブランは勝沼産のワインが出始めていたが、当時は酸の低さからフラットに感じるものが多かった。しかし山上さんが選んだ標高800mの土地ならきっと違うものが出来ると考え、2011年の初収穫から全量を旭洋酒で仕込み「グルペット ブラン」をリリースしている。

最近では畑を訪ねるのは収穫時を含め年に何回かだが、樹冠管理や草刈りが行き届いていて静謐感すら漂っており、そこに居る人をよく表しているといつも感心する。自宅にも伺う事があるが、畑と同じようにこざっぱりとしていて、でも生活感がない訳ではない。大学時代は宗教学を学び、ボサノバ好きで、文楽鑑賞をこよなく愛する趣味人であり、畑でもスマホ+BTスピーカーで「邦楽百番」や「浪曲十八番」を聴いていたりする。物事の判断において自分や他人の心の機微を感じ取ったり、見えないものへの想像力にいつも開けている人だと思う。そういう人がからかった(甲州弁で「手塩にかけた」の意)ブドウをワインにするのは毎年ほんとうに楽しい。

2020年、果実酒販売免許を取得し、自園産ブドウからなるワインのオンライン販売を始めた。グルペット・メルローは機山洋酒、グルペットブランは旭洋酒が醸造する。真夏以外の金曜と土曜は、奥さんの裕子さんが作るクッキーやシフォンケーキを販売する「焼き菓子日々」の番頭を務める。

 グルペットぶどう園ホームページ
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