手散布

北海道で農薬散布をしていたときに、とある先輩農家の方からある都市伝説を聞いたことがありました。
山梨では農薬散布を手でやっているらしいと。

農薬手散布


本当でした。

防除服を着こみ、動噴を使いながら圃場内をくまなく歩いていくので、終わったころには汗まみれになります。
この前の防除の時に計ったのですが、開始前と開始後で1㎏体重が減っていました。
これは痩せるからいいなと思っていたのですが、私の場合その晩にいつもより多くビールを飲んでしまうので体重はすぐリセットされます。

因みにですが北海道ではほとんどの人がスピードスプレヤー(SS)という赤いテントウムシのような車に乗って農薬散布をしています。
私も一日で5000ℓ以上撒いていたこともあるのですが、手散布では500ℓ撒くのも3時間くらいかかります。
もちろん山梨でもSSを使う人もいるのですが、見ていると手散布をする人の方がかなり多数派だと思います。

SSは確かに散布作業が圧倒的早く楽で、時に運転中に快適すぎて眠気も襲ってくるぐらい素晴らしいのですが、手散布にもいい点がいくつかあるように思います。
まずは、手でピンポイントに散布できるので、農薬使用量をSSと比べてかなり減らせることです。
農薬の使用については山梨に来ていろいろと考えることが多くなったのですが、やはり使用量・使用回数ともに出来る限り減らすことは常に意識できればなという考えに今は至っております。
あと手散布の利点は、ブドウの樹を目視しながらの作業なのでブドウの病害虫などの異変にすぐ気づけること、重い車体で土を踏み固めてしまう心配がないことなどが挙げられるかなと思います。

農薬のことはもっと意識を持って考えていきたいなと日々感じてるので、また機会があれば書いていきたいと思います。