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萩原進(プロフィール写真)

ブドウ栽培者の紹介

萩原 進

1976年山梨市生まれ。東京の大学卒業後は職場の長期休暇を利用してアジア、アフリカ、南米、ヨーロッパなどへのバックパック旅行に勤しんだ。タンザニアではキリマンジャロ登頂を達成、メキシコではダイビングの国際ライセンスを取得。

リーマンショックの数年後、会社の規定が変わり長期休暇が取れなくなる事がわかると、一晩悩んだ末、帰郷して農家になる事を決めた。世界の津々浦々でワインが地酒として親しまれている事を知り、ワイン用のブドウを育ててみたいと思ったのである。親友であり旭洋酒支援者であるサクランボ農園の大澤君を通して知り合い、初めて収穫に参加したのは2011年。翌年は県立農業大学校職業訓練課に通い、祖父母の所有していた山梨市万力のヤマジの近隣に数か所のブドウ畑を借り足し、生食用とワイン用ブドウ(甲州、MBA、甲斐ノワール)を植え付けた。その後2年間は旭洋酒で農作業と瓶詰を手伝いながらブドウが育つのを待った。 

新規就農者が独り立ちするのはむろん容易い事ではないが、2017年に41歳で最愛の伴侶を得、モチベーションが俄然上がった。2人は大学の専攻も東京での居住区も同じ、旅行好きなど趣味も同じ(スリランカのシーギリヤロックではほぼ同じ場所で記念撮影をしていた)。奥さんは東京での仕事を山梨でもリモートで続けられる事になり、現在も家計を支えている。2019年には長男が誕生。2021年には実家の敷地内に狭くて暖かいマイホームが完成、と誰もが認めるトントン拍子なのである。 

甲斐ノワールはもともと、別の人が栽培していたのだが、手間がかかりすぎると伐採してしまったところで、萩原君から何を植えればいいかという相談を受けた。ワインが好きで、決めたらとことんやりそうなこの人なら、と提案した。初収穫では糖度も最高レベルまで上がり片親のカベルネソーヴィニョンを彷彿とさせたが、晩熟で粒が小さいので病気が出ると蔓延しやすく、ここ2年は収穫量が激減してしまった。甲州にしてもヤマジなので獣の害も多く、ワイン用ブドウではまだまだ実入りがよくない。それでも、起き上がりこぼしのような萩原君ならではの見えない底力を信じているし、彼らの家庭の一端を将来に渡って支えていく事は自分たちの気概にも通じている。

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